エクセルの便利な機能の1つに『マクロ』があります。
ネットでマクロの意味を調べると、次のように書かれていました。
ソフトの操作を自動的に行わせる機能です。頻繁に行う操作を登録することで、何度も同じ操作をしないで済みます。
出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本」
マクロを大雑把にまとめると、『自分専用のショートカットキーをあらかじめ登録し、いつでも使えるようにする』便利な機能です。
『自分専用のショートカットキー』=『マクロ』と思ってもいいかもしれません^^
例えば、『セルの背景色を黄色』→『文字を赤』→『セルの外枠に罫線を引く』という3つの操作を頻繁に行う場合、毎回同じ操作を繰り返すのは作業効率が悪く操作ミスにも繋がります。
そこで、この3つの操作を一気に実行するマクロをショートカットとして作っておいて、そのマクロを実行すれば、あっという間に手間がかかる操作が完了して作業効率が格段にアップします。
なので、毎回繰り返す手順が多ければ多いほど、マクロの効果で作業効率が3倍、5倍、10倍とアップしていきます。
でも、マクロと聞くと『なんだか難しそう』と尻込みする人が多いんですよね^^
たしかに、マクロはVBA(Visual Basic for Applications)と呼ばれる言語で組まれたプログラムなので、プログラミングの知識がないとマクロを作れないと勘違いしている人もいます。
でも、決まった操作をマクロとして使いたい場合は、そのマクロを作成(記録)することは全然難しくなく、プログラミングすることなく作ることができます。
それが『マクロを記録する』ということです。
ここでは、エクセル初心者の人でも簡単にマクロが作れる(記録できる)ように、詳しく解説していきます。
操作を記録してマクロを作るのではなく、VBAのコードを書いてマクロを作る方法もあります。
こちらの記事を参考にしてください!

エクセルマクロの作り方と使い方
これより、エクセルマクロの作り方と使い方にわけて解説していきます。
マクロの作成(面倒な操作をマクロとして記録する)
まずは、マクロの作り方(記録)
例えば、下のエクセルのように、選択したセルを『罫線で囲む』+『背景色を黄色』+『文字を赤』+『文字を中央揃え』にする操作が頻繁にあるとします。
その操作というのは、具体的には次の通りです。
- 格子状の罫線を設定する。
- 塗りつぶしの色を黄色にする。
- フォントの色を赤にする。
- 文字列を中央に揃える。
合計4回も操作しなといけないので、この面倒な操作をしないですむように、ショートカットキーとしてのマクロを今から作っていきます。
マクロを作る手順は以下のようになりますが、『記録を開始する』→『操作する』→『記録を終了する』という流れで単純作業なのでそんなに面倒でもありません。
- マクロの記録を開始。
- ショートカットしたい操作をする。
- マクロの記録を終了。
1. マクロの記録を開始
マクロの記録を開始する手順です。
まずは、任意のセルを選択します。
『表示』タブを選択し(①)、『マクロ』(②)→『マクロの記録』を選択(③)
※マクロの記録が開始されてからセルを選択しないでください。


または、次のアクセスキーでも『マクロの記録』は可能です。(同時ではなく、順番に押していきます)
『ALT』→『W』→『M』→『R』
マクロ名には好きな名前を入力し、ショートカットキーにはここでは『u』を入力し、『OK』をクリック。
※『CTRL』+『u』は、標準では文字に下線を引くショートカットキーとして割当済み。ちなみに、『CTRL』キーと『e』、j』、『m』の組み合わせはショートカットキーとしてないので、『e』、j』、『m』のいずれかを指定してもいいかもしれません。
2. マクロにしたい操作を実際に行う
ここからはマクロにしたい操作を実際にして、マクロとして記録させます。
まずは、以下の手順で格子状の罫線を設定します。
次に、背景色を黄色にします。
そして、文字の色を赤、文字列を中央揃えの設定にします。
これで書式が変更されました。
以上で、合計4回の操作がマクロに記録されます。
3. マクロの記録を終了
マクロにしたい操作は終わったので、マクロの記録を終了します。
『表示』タブ→『マクロ』→『記録終了』を選択。

または、次のアクセスキーでも『マクロの停止』は可能です。(同時ではなく、順番に押していきます)
『ALT』→『W』→『M』→『R』
これで、マクロの作成(記録)が終わりました。
作成したエクセルマクロを実行する
では、マクロの作成(記録)ができたので、実際にマクロを使ってみます。
なので、マクロを実行するまでにエクセルを変更していた場合は、マクロの実行前に一旦『CTRL』+『S』で強制的に保存することをおすすめします。
事前に任意のセルを選択し、『表示』タブ→『マクロ』→『マクロの表示』を選択。
『ALT』+『F8』
記録したマクロを選択し、『実行』をクリック。
すると、たった一回のマクロで『4回の操作による書式設定が一気に実行できる』ことが確認できました。
作成したエクセルマクロを実行する(指定ショートカットキー利用)
マクロはさきほどのように、エクセルのメニューをたどれば実行できます。
しかし、それでもまだ面倒なので、マクロの記録で指定したショートカットキーを使いましょう。
それこそ、一発のショートカットキーでマクロが実行されて超便利です^^
今回、ショートカットキーには『u』を指定しているので、『CTRL』+『u』を押すと即マクロが実行されます。
ここも、実際の『マクロの記録』で指定したショートカットキーを使ってください。
マクロ付きエクセルファイルの保存
マクロを作ることができたのでエクセルを保存します。
すると、次のような警告が出ますが、『いいえ』を選択。
マクロが記録されているエクセルは拡張子がxlsxのままでは保存できないルールとなっているので、マクロ付きの拡張子であるxlsmに変更する必要があります。
これで記録されたマクロが無事にエクセルに保存されました。
再度、マクロが記録されたエクセルを開いてみます。
セキュリティの警告が出ています。
もしこのような警告が出た場合は、『コンテンツの有効化』を押してください。
有効化しないとマクロの編集などができなくなります。
あとは、マクロを使いたい場面で保存したマクロを実行させれば、自分専用のショートカットキーとして使えるようになります^^
より使いやすいマクロにするために!(シートにボタンを作成)
今回紹介した方法でもマクロの実行にはまったく問題ないです。
ただし、マウスでのリボン操作によるマクロの実行が中心となるので、より簡単にマクロを実行できるボタンの作成がおすすめです。
次の記事では、よりマクロを使いやすくするボタンの作成について詳しく書いているので、ぜひ参考にしてください!
より使いやすいマクロにするために!(リボンにボタンを作成)
マクロのボタンはシートだけではなく、独自のリボンに追加することもできます。
どのシートからでもマクロを実行できるボタンなので、ぜひ参考にしてください。
自作のマクロからアドインを作成する
マクロのままだと、マクロ付きエクセルになっているそのエクセルでしかマクロを実行することができません。
どんなエクセルファイルからでもマクロが実行できるようになる「アドイン」を作成してみましょう!
これかなり便利です。
初心者でもわかる!エクセルマクロの作り方入門のまとめ
まとめ
- マクロは自分専用のショートカットキー。
- 面倒な操作を記録するだけで、ショートカットキーとしてマクロが使える。
例を交えてマクロの作り方(記録)について解説しました。
マクロがショートカットキーの代わりになること、面倒な操作を『記録』するだけですぐにマクロが使えることがわかったと思います。
エクセルではいろんなショートカットキーが用意されていますが、それでも自分がよく使う操作が用意されているとは限りません。
そういう時こそ、マクロの力を借りて作業を楽にして効率アップを図りましょう!