エクセルでデータをプロットしたり、データの推移を分析しようとした場合によく使われれるのがグラフ。
その中でも棒グラフはよく使われるグラフですが、ひとつだけ飛び抜けた値があると、他の値との兼ね合いでバランスが悪いグラフになってしまいます。
そんな時に便利なのが、途中を省略した波線。
いわゆる省略線と呼ばれるものです。
この記事の内容
- きれいな波線の作り方
- きれいなギザギザ線(イナズマ線)の作り方
- 省略線を傾ける方法(90度、自由角度)
今回は、図形を使って『きれいな波線を引く方法』を紹介します。
きれいな波線を引きたい人はぜひ参考にしてください!
枠線にあわせてきれいな波線を引く時のポイント
さっそく、波線を引く方法を紹介する前に、手順がちょっと複雑なのできれいな波線を引く時のポイントを2つ説明します。
事前に枠線を表示させておく
もし、シートに枠線が表示されていない場合は、リボンの『表示』タブ→『枠線』にチェックをつけてください。
波線を引く時のポイント(その1)
今回の方法では、黒い波線と白い波線を2つ用意し、黒い波線の上に白い波線を重ねることで、黒の波線を作ります。
重ねた時に下の黒い波線が見えるようにするため、黒い波線の幅は白い波線の幅より大きくします。
なんでこんな面倒くさいことをするかというと、曲線を並べただけの波線では肝心の省略した部分が透けてしまって、省略した波線に見えないからです。
波線を引く時のポイント(その2)
きれいな波線を引くためには、均等な間隔の頂点を持つ波線にする必要があるので、頂点をセルの枠線にぴったりあわせることが大事なポイントとなります。
今回は、『頂点の編集』を使って、波線の頂点を枠線にあわせていきます。
きれいな波線を引く(図形で作る)
では、きれいな波線を作る方法です。
方眼紙のシートを作る
準備として、方眼紙のシートを作ります。
ただし、シートは必ずしも方眼紙(正方形)でなくてもいいので、このステップは省略して、次のステップの『まずはおおざっぱに波線を引く』に進んで構いません。
ここでは例として、縦横とも80ピクセルの方眼紙を作ります。
まず、ショートカットキー『CTRL』+『A』を押してシート全体を選択します。
そして、列番号のどこでもいいので右クリックし(①)、表示されたメニューから『列の幅』を選択(②)
列幅に8.11(ピクセル80)を入力。
行の方も同じように、行番号のところで右クリックし(①)、表示されたメニューから『行の高さ』を選択(②)
行の高さに60(ピクセル80)を入力。
これで方眼紙の完成です。
まずはおおさっぱに波線を引く
次にセルの枠線を目安に、おおざっぱな波線を引いていきます。
赤丸のちょっと内側に波線を引いていくイメージですね。
実際にきれいな波線にするのは、『頂点をあわせてきれいな波線に調整する』のところなので、ここではおおざっぱに引いていきます。
『挿入』タブ(①)→『図形』(②)→『曲線』(③)を選択。
マウスが図形のマーク(十字)になるので、下の画像のように枠線の内側の部分(赤丸)を左からどんどんクリックしていき、最後のところでダブルクリックして曲線(波線)を確定させます。
これで、おおさっぱな波線を引くことができました。
頂点をあわせてきれいな波線に調整する
おおざっぱな波線をきれいな波線にします。
波線を選択し(①)、右クリックメニューから『頂点の編集』を選択(②)
波線の頂点のところに小さい黒いマークがつくので、ここをマウスでつまんでセルの枠線(赤丸の交差する部分)にずらしていくと、エクセルが勝手に枠線にあわせてくれます。
この時に大事なのが『ALT』キーを押しながらマウスでドラッグすること。
『ALT』キーを押さないと、ピッタリ枠線にあわせることはできません。
これを全ての頂点の分だけ枠線にあわせていきます。
波線の頂点をすべて枠線にあわせたのが、次の画像です。
正方形の枠線に頂点があっているので、きれいな波線になってますよね^^
きれいな波線の引き方を動画で解説
ここまで画像できれいな波線の作り方を解説してきましたが、ちょっとわかりづらいので次の動画も参考にしてください。
動画見るとわかるように、『ALT』キーを押しながら頂点をつまむと、簡単に頂点を枠線にあわせることができます。
下になる黒い波線を作る
次に、白い波線の下になる黒い波線を作ります。
波線を選択し(①)、右クリックメニューから『配置とサイズ』を選択(②)
『線のスタイル』の幅に『18.5pt』を入力。
あくまでも例なので自分の好きな幅にしてもかまいません。
大事なのは、下の黒い波線は上に重なる白い波線より幅を大きくすることです。
上に重ねる白い波線を作る
黒い波線ができたので、この波線を選択した状態で『CTRL』+『SHIFT』キーを押しながらマウスで下の方にずらしてコピーします。
水平方向の位置がずれないように、必ず『SHIFT』キーを押しながらドラッグしてください。(これやっておくと、重ねるのが楽です)
次に、下の方にコピーされた黒い波線を白い波線に変えます。
コピーされた下の波線を選択し(①)、右クリックメニューから『配置とサイズ』を選択(②)
『線の色』の『線(単色)』は白を選択し、『線のスタイル』の幅に『12pt』を入力。
※線の幅は黒い波線より小さくしてください。
これで、白い波線のできあがりです。
黒い波線と白い波線を重ねる
白い波線はどこにあるのかわかりづらいですが、何もしなければ白い波線は選択されている状態になっているはずです。
ここで、キーボードの『↑』キーを押しっぱなしにして、白い波線を黒い波線の方に動かしていきます。
すると、下の画像のように黒い波線と白い波線がきれいに重なるところがあるので、そこで動かすのを止めます。
そして、この重なった状態を1つの図形にまとめるために、グループ化します。
白い波線が選択されている状態なので、『CTRL』+『A』を押して黒い波線も選択された状態にします。(見た目は何も変わりません)
2つの波線が選択されている状態で(①)、右クリックして『グループ化』→『グループ化』を選択(②)
もし、右クリックしても『グループ化』が表示されない場合は、2つとも選択されていない状態になっているので、どちらかを選択してから『CTRL』+『A』を押して右クリックしてください。
これできれない波線ができあがります。
あとは、この波線をコピーして、棒グラフなどに貼り付ければいいだけです。
棒グラフより波線が大きい場合は、波線の角(右下など)をマウスでつまんで小さくすることで大きさを調整できます。
これで棒グラフに省略線(波線)を重ねることができました。
ギザギザ線(イナズマ線)の作り方
ここまでは波線でしたが、ギザギザ線(イナズマ線)を省略線として使う人もいるようなので、ギザギザ線の作り方も紹介します。
ギザギザ線を作る場合でも、途中までの作り方は波線と同じです。
なので、『頂点をあわせてきれいな波線に調整する』まで進めて、波線を作っておいてください。
そこまで進めたら、波線をギザギザ線に変えていきます。
波線を選択し(①)、右クリックメニューから『頂点の編集』を選択(②)
次に、頂点と頂点との間にマウスを置くと、『十字』のようなマークに変わるので(①)、マウス右クリックで表示されたメニューから『線分を伸ばす』をクリック(②)
すると、そこの部分が一直線の線に変わります。
あとは、他の中間点も『線分を伸ばす』にしていけば、波線がギザギザ線(イナズマ線)に変更されます。
さらに、『下になる黒い波線を作る』以降の手順を進めれば、ギザギザ線の完成です。
波線(ギザギザ線)を90度(垂直)にする
省略線(波線、ギザギザ線)を水平方向ではなく90度の垂直にしたい場合の手順です。
まずは、省略線を選択。
次に、リボンの『書式』タブ(①)→『回転』の▼マークをクリック(②)→『右へ90度回転』か『左へ90度回転』を選択。
これで、90度傾いた省略線ができます。
波線(ギザギザ線)の角度を自由に変える
省略線の角度を自由に変えたい場合の手順です。
こちらも、最初に省略線を選択。
選択すると、選択枠の上側の中央部分に丸い緑のマークが出ます。
これをマウスでつまんで、右や左に動かすと自由な角度に傾けることができます。
ちなみに、角度を数値で指定したい場合は、選択状態でマウス右クリックで表示される『サイズとプロパティ』で指定することができます。
きれいな波線(省略線)を引く方法のまとめ
まとめ
- きれいな波線を作る場合は、一旦波線を作って『頂点の編集』で枠線にあわせる。
- 黒い波線と白い波線を重ねることで、省略部分が透過されない波線になる
エクセルには『小波』、『大波』という、一見省略線として使えそうな図形がありますが、今ひとつで、ちょっと省略線のようには見えないんですよね^^
だから、省略線としての波線を作りたい場合は、今回紹介した方法をおすすめします。
今回は、方眼紙のシートを作る手順から紹介しましたが、特に方眼紙を作らなくても頂点さえ枠線にあわせることができれば、きれいな波線を作ることはできます。
波線が完成するまでの手順が結構長いですが、波の曲がり具合とか幅は自分でいくらでも調整できるので、まずはお試しで作ってみましょう!