いよいよ5/1から新元号に切り替り、新元号『令和』の『元年』が始まります。
エクセルで西暦から和暦に変換すると、『昭和58年』とか『平成12年』などとなるわけですが、元年の場合は『令和1年』というように変換されてしまいます。
別に間違いでもなく正しい表示なんです。
だから、決しておかしくはない^^
でも、『元年』の方がしっくりくるんじゃないでしょうか。
この記事の内容
- 『ユーザー定義』(セルの書式設定)で『令和元年』と表示させる
- 『条件付き書式』で『令和元年』と表示させる
そんな人のために、ここでは『ユーザー定義』と『条件付き書式』を使って『令和元年』と表示させる方法を紹介します。
ぜひ、参考にしてください!
エクセルは標準では『元年』と表示(変換)しない
冒頭もで書いたように、エクセルでは元号の最初の年を『元年』と表示(変換)せずに、そのまま『1年』と表示します。
下のエクセルは『書式設定』で和暦の日付を指定してますが、このように『令和1年』と表示されます。
『元年』ではなく『1年』と表示されるのはエクセルの仕様なので、『元年』と表示させる工夫が必要となります。
書式設定のユーザー定義で『令和元年』と表示させる
では、ユーザー定義(セルの書式設定)を使って『元年』を表示させる方法を紹介します。
今から紹介する方法を使うと、このように『令和元年』と表示されます。
ちなみに、対象の日付は西暦、和暦のどちらになっていても構いません。(これから書式の設定を書き換えるので、現在の日付の書式は関係ありません)
では、手順です。
日付が入力されているセルを選択し、ショートカットキー『CTRL』+『1』(テンキーの1は不可)で『セルの書式設定』ダイアログを表示。(マウス右クリックメニューからも可)
『セルの書式設定』ダイアログが表示されるので、『表示形式』タブ→『ユーザー定義』と選択していき、種類(赤枠部分)に次の書式を入力します。
[<=43585]ggge"年"m"月"d"日";[>=43831]ggge"年"m"月"d"日";ggg"元年"m"月"d"日"
これで、『令和1年』が『令和元年』と表示されるようになります。
令和元年を表示させるための書式の解説
なにやら、長い書式を入力することで無事『元年』と表示されるようになりましたが、どんな書式なのかを解説します。
この書式は、①、②、③の3つ部分から構成。
まず、そのセルの日付が①の『<=43585』の条件を満たす場合は、そのまま直後の『ggge”年”m”月”d”日”』の書式に従った表示をします。
①の条件を満たしていなくて②の条件[>=43831]を満たしていたら、②の書式『ggge”年”m”月”d”日”』に従った表示。
①も②も満たしていない場合は、③の書式『ggg”元年”m”月”d”日”』の表示。
というように、①、②のいずれかの条件を満たしたらそれぞれの書式に従った表示を行い、どちらの条件も満たさない場合は、③の書式の表示を行うという意味になります。
ちょっとわかってきましたね^^
①の条件の『<=43585』は『2019/4/30以下だったら』という意味になります。
43585は、2019/4/30という日付のシリアル値(日付用の数値)を表しています。
つまり、シリアル値の『43585』は日付の『2019/4/30』のことで、この条件は『平成最後の日以前か?』という意味です。
日付がシリアル値とかよくわからないですよね^^
エクセルでよくつまづくのが、日付とシリアル値の関係です。
次の記事に、シリアル値についてわかりやすい解説を書いているので、この機会にわかりづらいシリアル値について理解を深めてください。
元に戻って、①の条件がYesだったら、この日付は『ggge”年”m”月”d”日”』の書式で日付を表示。※gggeなどの書式は後の方で詳細に解説します。
同様に、②は43831が2020/1/1となるので、『2020/1/1以降だったら』(新元号2年以降だったら)という条件です。
Yesだった場合は、『ggge”年”m”月”d”日”』の書式で表示。
最後の③は、①も②も満たさないので、『平成最後の日以前』でもなく、『新元号2年以降』でもない。
つまり、最後は新元号の元年の場合となり、表示書式は『ggg”元年”m”月”d”日”』です。
なので、書式に”元年”という文字がありますね。
日付のユーザー定義表示書式(表示形式)
①~③にgggeなどのよくわからない記号が登場してきたので、書式についても詳しく解説します。
記号 | 意味(例) |
---|---|
g | 元号をアルファベット1文字で表示。昭和の『S』、平成の『H』など。 |
gg | 元号を漢字1文字で表示。昭和の『昭』、平成の『平』など。 |
ggg | 元号をそのまま漢字2文字で表示。『昭和』、『平成』など。 |
e | 年を和暦で表示。平成31年だったら『31』など。 |
他には、『m』は月の書式、『d』は日の書式などがあります。
これをふまえて、
①、②の『ggge”年”m”月”d”日”』は
『平成31年4月30日』となり、
③の『ggg”元年”m”月”d”日”』は
『令和元年5月1日』というように変換されます。
③の書式ではe(年の和暦表示)がない代わりに”元年”となっていることで、『元年』の表示ができるようになっています。
一般的な表示形式をここまで解説しましたが、実際には『令1.5.1』や『R1/5/1』などのように表示させたい場合もあるでしょう。
そんなときには、和暦の表示形式をいろんなパターンでまとめている次の記事が参考になるかと思います。
曜日も表示させる場合の書式
日付の後に曜日も表示させたい場合があるかと思います。
『(金)』のように表示させる場合は、最後に『 (aaa)』を指定します。
[<=43585]ggge"年"mm"月"dd"日";[>=43831]ggge"年"mm"月"dd"日";ggg"元年"mm"月"dd"日"(aaa)
この書式で次のように曜日が表示されます。
ちなみに、『(金曜日)』のように表示させたい場合は、aが1つ増えて『 (aaaa)』となります。
和暦の『月』、『日』を2桁で揃えたい場合の指定
日付がずらっと並ぶときには、できるだけ年、月、日の桁数を揃えると気持ちよくなります^^
今回は『元年』と表示させることが目的なので年だけはちょっと揃えることができませんが、せめて、月、日だけでも揃えるとこのようになります。
月、日を2桁で揃えた場合
揃えた方が少しは読みやすくなりますよね。
月、日を2桁で揃えるには、月のmをmmに、日のdをddにするだけです。(年は2桁指定にはしていません)
[<=43585]ggge"年"mm"月"dd"日";[>=43831]ggge"年"mm"月"dd"日";ggg"元年"mm"月"dd"日"
条件付き書式で『令和元年』と表示させる
続いては、『条件付き書式』で『令和元年』と表示させる方法です。
日付のセルを選択し(①)、タブの『ホーム』(②)→『条件付き書式』(③)→『新しいルール』(④)とたどっていきます。
『新しい書式ルール』ダイアログが表示されるので、『指定の値を含むセルだけを書式設定』を選択(①)→ 『セルの値』→『次の値の間』の令和元年の開始日付には『2019/5/1』を入力し(②)、終了日付には『2019/12/31』を入力し(③)、『書式』をクリック(④)
『セルの書式』ダイアログが表示されるので、『表示形式』(①)→『ユーザー定義』(②)と選択し、『種類』には以下の書式を入力して、後は『OK』ボタンで戻っていきます。
"令和元年"m"月"d"日"
すると、このように2019/5/1と2019/12/31が『令和元年』と表示されます。
まとめ
まとめ
- 『令和元年』を表示させる方法には、『ユーザー定義』と『条件付き書式』の2つの方法がある。
- 日付の値(シリアル値)を判定することで、『令和元年』と表示させることができる。
- 2019/4/30以前の日付は『平成YY年』に、2020/1/1以降は『令和YY年』と表示される。
上のまとめにも書いていますが、今回紹介している方法では、2019/5/1~2019/12/31の日付だけを『令和元年』と表示させます。
なので、平成時代の日付や2020年以降でも日付を意識する必要なく、ここで紹介した方法を使うことができます。
お勤め先では、もしかして『元年』表示が暗黙的なルールとなっているかもしれません。
今年はその『元年』にあたります。
さっそく、ここで紹介した方法で『令和元年』の変換に挑戦してみましょう!