今年2019年初めに公開されたマイクロソフトのパッチを適用すると、エクセル2010が起動できないというとんでもない問題がありました。
※この記事では対応方法を書いています。もしエクセル2010が起動しない問題がある場合は参考にしてください。
そして、今度は2/12公開のパッチ(KB4487044)の適用により、エクセルの元号の省略文字が特殊文字で表示されるという問題が発覚しています。
元号の省略文字というのは、明治の『明』、大正の『大』、昭和の『昭』、平成の『平』というように、1文字で元号を表す頭文字のことです。
特殊記号は平成の場合に『㍻』のように、1文字で2文字を表す文字のことで、システムが使っていない限り通常はほとんど見る機会はありません。
このパッチが適用されてしまうと、エクセルの書式設定で『平1年1月8日』と表示されていたのが、『㍻1年1月8日』と表示されてしまいます。
エクセルで元号の省略文字を使っていなければ特に問題にはなりませんが、もし使っている場合には以前の省略文字に戻す必要があります。
対応方法は、次の2つ。
- マイクロソフトから提供されている対応パッチを適用する
- Windowsのレジストリを修正する
ここでは、2つの方法を紹介していきますが、臨機応変に対応してください。
エクセルの元号の省略文字が特殊文字で表示されてしまうか確認する
まずは、今使っているエクセルで元号の省略文字が特殊文字で表示されるか確認してみます。
セルに『1989/1/8』と入力(平成の開始日付ですが、別に開始の日じゃなくても構いません)
ショートカットキー『CTRL』+『1』(テンキー不可)を押して、セルの書式設定ダイアログを開きます。
次に、『表示形式』タブから『分類』(①)→『ユーザー定義』(②)→『[$-411]ggge”年”m”月”d”日”』(③)を選択
この時、上の方にあるサンプルに書式を適用した結果が確認できます。
ここで、元号の省略文字を表示させるために、種類に書かれている4つのgの1つを削除。
[$-411]ggge”年”m”月”d”日”
↓
[$-411]gge“年”m”月”d”日”
gを3つにした結果、サンプルに元号の省略文字が表示されます。
この時点で、省略文字として特殊文字が表示されていることがわかります。
念の為、『OK』を押して特殊文字が表示されることを確認してください。
ここで㍻の特殊文字が表示されない場合は、元号の省略文字を戻す対応は必要ないので何もすることはありません。
対応パッチを適用して以前の元号の省略表記に戻す
マイクロソフトから以前の省略文字に戻すためのパッチが公開されているので、このパッチを適用します。
基本的にWindowsのパッチは自動で更新(適用)されますが、なぜかこのパッチはオプション扱いなので自分でパッチを指定して適用する必要があります。
問題があるパッチは自動で適用されるくせに、それを解決したパッチは『自分で適用してください』って、相変わらずのマイクロソフトですね^^
元号の省略表記の問題を解決するパッチの適用方法
Windows7の場合の、パッチ適用手順を説明します。
ちなみに、パッチの適用は僕の環境ではPCの再起動まで含めて全部で15分ほどかかりました。
緊急の場合や、ネットに繋がっていない環境の場合は、次の『Windowsのレジストリを修正して以前の元号の省略表記に戻す』に進んでください。
Windowsのスタートボタンから『Windows Update』を選択。
Windows Update画面が表示されるので、『更新プログラムの確認』を押して、しばらく待ちます。すると、下の画面のように『オプションの更新プログラムが利用可能です』と表示されるので、そのままクリックします。
Windows7SP1の場合は『KB4486565』というパッチなので、このパッチにチェックをつけて、『OK』を押します。
他のOSの対応パッチ番号は次の通りです。
- Windows8は『KB4487016』
- Windows10は『KB4487029』又は、『KB4487021』
『更新プログラムのインストール』をクリック。
ダウンロードから適用まで結構時間がかかります。
パッチの適用が終わると次の画面が表示されるので、『今すぐ再起動』を押してください。
PCの再起動が終わったら、上の方で書いたようにエクセルの書式設定で元号の省略文字が1文字の文字に戻っていることを確認します。
Windowsのレジストリを修正して以前の元号の省略表記に戻す
レジストリエディタを使って、レジストリを修正して元号の省略表記を戻します。
なお、エクセルは事前に終了して、以降の作業に進んでください。
まず、レジストリエディタのショートカットキー『Windowsキー』+『R』を押します。
『ファイル名を指定して実行』が表示されるので、『regedit』と入力して『OK』をクリック。
レジストリエディターが起動するので、以下のキーのパスを下の画面のように開いていきます。
\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Nls\Calendars\Japanese\Eras
Windows10の進化したレジストリエディターを使えば、面倒くささもなく目的のキーを一発で開くことができます。
Windows10を使っている人は、下の記事に書かれている方法が便利ですよ。
平成の元号『1989 01 08』をダブルクリック。
開かれたダイアログを確認すると、『平成_㍻_Heisei_H』となっていることがわかります。
二番目の文字が省略表記で使われる文字になるので、この場合は元号の省略表記が特殊文字で表示されるようになっています。
二番目の文字を特殊文字から『平』の1文字に修正します。
平成以外の元号もすべて同様に修正。
最後に、エクセルを起動して書式設定で省略表記が特殊文字にならないことを確認して終わりです。
エクセルの元号の省略表記が特殊文字になる問題のまとめ
今回は問題のあるパッチが適用されることで、元号の省略表記が特殊文字で表示されてしまいます。
自動で適用されるパッチなので、結構あとで気づくかもしれません。
既にマイクロソフトからはこの問題を解決するパッチが提供されているので、正式な対応としてはパッチの適用がベストです。
しかし、時間がないなどの理由でパッチの適用が難しい場合は、今回紹介しているレジストリの修正で対応してください。